STIGプログラム 修了生から後輩へのメッセージ
新領域創成科学研究科国際協力学専攻
修士課程修了(2024年度卒)
北海道庁勤務(2025年4月から)
私の所属していた新領域創成科学研究科国際協力学専攻の履修制度は他研究科の授業を比較的多く取得単位に含めることができるものであったため、国際協力学と関係の深い公共政策大学院の授業をいくつか受けていたところ、STIGというプログラムを知りました。また、学部時代に土木工学を学んでいましたが、技術そのものを研究するのではなく、それが社会に受け入れられるための研究をしたいという思いで、大学院に進学したこともあり、STIGはまさにそういった趣旨のプログラムを提供していたため受講することにしました。それぞれの授業が大変興味深く、その内容自体ももちろん面白かったのですが、それ以上に多様な研究科から集まった学生から受ける刺激がとても魅力的で、授業中や終わった後に飛ばされる学生からの鋭い質問や彼らとの議論から新たな視点をたくさん学ばせていただきました。
印象に残っている授業としては、まず松浦正浩先生の「交渉と合意」で、授業の前半に行われる受講生同士の交渉演習で、上手くいったこと、失敗したことが、授業の後半に行われる解説で理論的に説明されていく過程が非常に面白かったです。また、私はあまり交渉が上手くなかったのですが(笑)、一緒に受講している学生の中にはとても上手い方がいて、そういった学生の立ち回りを知ることができたのも勉強になりました。この授業で習得した理論と技術は、不動産の賃貸契約、人間関係(?)など日常生活に潜むさまざまな交渉に応用することができ、非常に役立っています!
また、これはたまたま履修した授業なのですが、「霞ヶ関における政策改革の手法(農政改革の実例から学ぶ)」では、元農林水産事務次官である奥原正明先生の実務経験から導き出された、社会を変えるための方法論を学ぶことができとても勉強になりました。受講生は10人程度の少人数で、教員との距離が非常に近いというのも魅力的でした。この授業に限らず、いくつかの授業で、多様なバックグラウンドかつ経験豊富な先生方の講義を大教室ではなく、少人数講義で受けることができるというのは、STIGならではの非常に贅沢な体験だと思います。
将来的にはSTIGでの講義から得た知識や様々な学問的背景を持つ学生と議論した経験を基に、科学技術に根ざしたより豊かな社会に貢献する役割を果たしていきたいと考えています。