インタビュー2014

インタビュー:2014

STIGプログラム 修了生から後輩へのメッセージ

 

工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了

岩見 紫乃さん

私は普段、専業学生として、政策や経営の意思決定をサポートする計量的手法を研究しています。これは、本プログラムに関連の深いテーマです。しかしながら、研究においては、狭い一点に集中することになるので、実務のどこに位置づけられるのかに疑問がありました。本プログラムに参加したのは、私の研究が実務に応用可能であるのかを探るためでもありました。

本プログラムでは、実務家をお招きして話を聴いたり、グループワークで実際に調査を行う授業があります。これらの授業を通して、実務家の思考プロセスを辿り、あるいは、私の研究とは異なってインタビュー等の質的な分析手法を経験できたことが、大きな収穫でした。授業の中での経験が自分の研究だけでは足りない部分を補って、今後、質的な分析手法が必要になったときに未経験から発生する不安を払拭してくれました。本プログラムは、「政策のための」とは銘打っていますが、その思考過程や分析手法は企業においても使える内容であり、また、政府等と仕事する場合に向けて相手を知る良い機会だと思います。

本プログラムにおいては、自分の専門外の分野や世界の事例に触れる機会が多く提供され、大いに私の視野を広げてくれました。まだ答えの定まっていない最新のテーマにも取り組むので、脳が刺激され、思考を鍛えることに優れたプログラムだと思います。これから受講される方は、ぜひ、多様なテーマに取り組んで、自らの可能性を広げてください。


 

公共政策学教育部 専門職学位課程修了
(文部科学省)

廣瀬 章博さん

科学技術イノベーション政策を担う人材には、どうすればなれるのでしょうか?

最低限抑えるべき基礎的事項はあります。科学技術イノベーションとは何か、なぜ今の日本にとって重要なのか、活性化させる上で重要な要素は何か、より広く政策とは、科学技術とは何か、議論の蓄積の理解は欠かせません。STIGプログラムはこのような知識を効率よく提供してくれます。

しかし、知識を詰め込むだけではイノベーションは生まれません。科学技術と社会が交錯する領域において新たな価値を生み出すためには、バックグラウンドや価値観の異なる様々な意見をぶつけ合い、その化学反応から光るものを見出し形にする、非常にストレスフルな過程が必要です。STIGプログラムは、多様な人材が集まりガチンコで議論を戦わせる、苦しく刺激的な体験を数多く提供してくれます。

単位を揃えて修了しても、自動的にイノベーションが生み出せるわけではありません。授業に本気で取り組んで得た土台をもとに、修了後も努力を続けなければ実社会へ意味ある貢献はできません。私自身、就職後は実践の場に身を投じ、一期生の名に恥じないよう努力を続ける所存です。熱意ある後輩が続くことを期待しています。