インタビュー

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STIGプログラム 修了生から後輩へのメッセージ

 

医学系研究科外科学専攻乳腺内分泌外科学 博士課程修了(2022年度卒)
附属病院乳腺内分泌外科勤務
公共健康医学専攻臨床疫学・経済学研究員

小西 孝明さん

STIGという学際的で面白いプログラムがあることを知ったのは、大学病院の先輩である佐藤靖祥さんから教えてもらったことがきっかけです。私が医学博士課程で所属した臨床疫学・経済学教室は、医療ビッグデータや医療経済を扱う研究室です。School of Public Healthの一部門であり、公衆衛生や医療政策についても学びます。そのため、いかに政策を通じて人々の生活に科学(医学含む)の発展を還元するかを学ぶSTIGは、4年間の大学院生活における研究活動そのものに大きく関わりがありました。

「地域交通政策」では、存続の危機とも言える地域交通の実態と、その困難への対処について、まさに現場で取り組んでらっしゃる講師陣からお話を伺えました。採算の取りにくい公共財のありようを地域住民とともに探っていく、というのは地域医療にも通じるものがあり、福井県や愛媛県での現地視察も大変刺激的でした。「交渉と合意」では、合意形成のプロセスについてグループワークを通じて学ぶことができました。政策決定へ通ずるのはもちろんのこと、診療業務や医学研究などで行っていたはずのプロジェクト推進に関するプロセスを、今までにない視点から分析できるようになりました。この他にも複数の講義を履修しましたが、どれも示唆に富むものでした。

STIGを通じて、文部科学省による人材育成事業の一つである「SciREXサマーキャンプ」にも参加できました。全国から集った大学院生・大学生とともに、個別のテーマに関して数日間のグループワークを行い、最終日に多くの研究者・行政官等の前で政策提案のプレゼンテーションをしました。私は高齢社会の医療費を取り上げるグループに所属しましたが、様々なバックグラウンドを持つ仲間とディスカッションをしたことは大変貴重な経験で、今でも共同研究の計画をおこなうなどしています。

このようにSTIGでは、自分の研究科にいるだけでは決して得られなかった専門家や知識との出会いがあります。同窓会では、各分野の第一線で活躍する卒業生の魅力的なお話も聞けます。こうした機会は視点を広げるのみならず、自身の専門に対する熱意を増すことにもつながりました。実際、医療政策に関わる研究を加速させて論文を複数publishすることができ、研究者としての幅が広がったと信じています。今後、大学病院から官公庁に出向する際にも、STIGで学んだことをしっかり活かしていきたいと考えています。