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08/17
2016

【開催報告】第48回PoPセミナー:国際的規制協力、影響評価、及び政策学習


9月5日(月)、デューク大学法学部教授のジョナサン・ウィーナー氏の講演会を東京大学本郷キャンパスで開催。
国際的な規制の協調をメインテーマとして、それに関連する様々な重要テーマが散りばめられた中身の濃いレクチャーが行われた。最初に、国際的な規制協調(IRC)のタイプについて、全く協調がなく完全にバラバラな状態と、世界中で完全に同じ規制である状態の間に、緩いものから厳格なものまで12のタイプのIRCが挙げられた。その中には、TPPも含まれる。TPPの協定文書には、あまり知られていないが、「規制の整合性(regulatory coherence)」と題する章(第25条)があり、規制整合性とは、規制を単に統一することではなく、「規制に関する良い慣行を用いること」であると書かれている。その中核には、規制影響評価(RIA)の実施やそれらをチェックする規制監視機関の存在がある。
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次に、実際どれくらい規制基準が国ごとに異なるのかという論点に移り、研究成果(書籍 “The Reality of Precaution”)の内容が紹介された。本書は、欧州は米国よりも予防的であるという一般的な認識について、様々な分野を時系列的に比較することで実証的に研究したものであり、結論としては、分野により、また時期により、米国の方が予防的だったり、欧州の方が予防的だったり、様々であり、どちらが予防的であると一概には言えないというものだった。また、規制影響評価の仕組みも、米国と欧州で異なる点がある。最後に、規制の差異を、単純に失くすべきものととらえるのではなく、グローバルな政策実験の場(global policy laboratory)ととらえ、実際の規制政策を立案するために学習すべきものととらえることが提案された。そして、「実験」から得た学習結果を逐次的に政策に反映していく手法として、「計画された適合的規制(Planned Adaptive Regulation)」が紹介された。

日時:2016年9月5日(月)10:30-12:00
場所:法学政治学系総合教育棟 2階203教室
講演者:Prof. Jonathan B. WIENER, Duke University, School of Law
参加者:30名
言語:英語
主催:東京大学科学技術イノベーション政策の科学(STIG)教育・研究ユニット
共催:東京大学政策ビジョン研究センター

問い合わせ先:
STIG☆pp.u-tokyo.ac.jp
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