OECDで2009年のバイオエコノミーに関するレポートが作成されて以来、欧米各国ではバイオエコノミーをキーワードとする政策文書が策定され、バイオエコノミーに対する機運が高まっている。日本でも「2030年に世界最先端のバイオエコノミー社会を実現」することがバイオ戦略2019で謳われ、様々な施策が展開されている。2024年6月に更なるバイオエコノミー市場の拡大を目指し、「バイオエコノミー戦略」(2024年6月3日 統合イノベーション戦略推進会議決定)が公表された。バイオエコノミー社会の実現は、バイオファーストな価値観への転換や製造工程や社会構造の変革など、社会全体としてのトランスフォーマティブイノベーションを伴う。このため、多様なステークホルダー間でバイオエコノミーに関する様々な側面について議論していく必要がある。
本セミナーでは、2020年9月より、バイオ戦略で取り上げられている施策を中心に、日本が取り組んでいるバイオエコノミーについて学ぶ「基礎編」を開催してきた。その後2021年3月から「応用編」として、各回様々なテーマを取り上げて、バイオエコノミーに関連する活動について、国内外の動向について詳しい方々をお招きし、関係者間でバイオエコノミーの現状に関する情報共有や議論を目的とした勉強会を開催している。こうした活動を通じて、日本にとってのバイオエコノミーの意義、強み、課題の検討につなげていきたい。
バイオエコノミー勉強会 (招待制/要申し込み)
第26回バイオエコノミー勉強会「バイオエコノミー戦略と文科省におけるバイオ関連政策」
●日時:2024年 9月24日(火)16時~18時
●会場:Zoom によるオンライン実施
【主催】東京大学科学技術イノベーション政策の科学(STIG)教育・研究ユニット(STIG共進化プロジェクトSciREX共進化実現プログラム第IIIフェーズ「バイオエコノミーを目指したバイオものづくりの推進:政策課題の可視化と制度設計」(研究代表:松尾真紀子)、Bio-Digital Transformation(バイオ DX)産学共創拠点」(プロジェクトリーダー:山本卓)
【共催】国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の革新的GX技術創出事業(GteX)「多様な微生物機能の開拓のためのバイオものづくりDBTL技術の開発」(2023-2027年度)(研究代表:本田孝祐)
スケジュール:
趣旨説明:松尾真紀子 東京大学公共政策大学院
●内閣府によるバイオエコノミー戦略の紹介
松本拓郎 内閣府 科学技術イノベーション推進事務局 バイオ担当参事官補佐
●文科省のバイオに関する取り組み
田沼伸章 文部科学省研究振興局ライフサイエンス課 専門職
川端正憲 文部科学省 科学技術・学術政策局 産業連携・地域振興課 拠点形成・地域振興室 室長補佐
●広島大学の事例「Bio-Digital Transformation(バイオ DX)産学共創拠点」
奥原啓輔 広島大学 学術・社会連携室 産学共創プロジェクトマネージャー
残りディスカッション
参加者:65名
登壇者のご紹介:
松本 拓郎 内閣府 科学技術イノベーション推進事務局 バイオ担当参事官補佐 2022年6月より現職。2013年に文部科学省に入省後、初等中等教育における教育課程、国際的な基礎研究拠点形成、防災科学技術の研究開発・社会実装等を担当。現職では、総合科学技術・イノベーション会議の分野別戦略の一つであるバイオ戦略の推進を担当。 |
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田沼 伸章 文部科学省研究振興局ライフサイエンス課 専門職 2023年10月より現職。2017年に文部科学省に入省後、原子力政策、科学技術の理解増進等を担当。現職では、脳神経科学統合プログラム等の脳神経科学の推進及び革新的GX技術創出事業(GteX)におけるバイオものづくり領域を担当。 |
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川端 正憲 文部科学省 科学技術・学術政策局 産業連携・地域振興課 拠点形成・地域振興室 室長補佐 2023年8月より現職。2005年に文部科学省に入省後、国際科学技術協力、原子力政策、科学技術の理解増進、産学連携等を担当。OECD/NEAでの勤務(原子力関係在外研究員)とともに、在シンガポール日本大使館二等書記官や高知大学研究推進課長を務める。現職では、共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)等の産学官共創拠点形成等を担当。 |
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奥原 啓輔 プラチナバイオ株式会社 代表取締役CEO/広島大学ゲノム編集イノベーションセンター客員教授 科学技術振興機構(JST)、内閣官房、東広島市を経て、広島大学産学地域連携センターへ。 山本卓教授と共に、OPERA「ゲノム編集」産学共創コンソーシアム、COI-NEXT「バイオDX産学共創拠点」を構築・運営。2019年、プラチナバイオ株式会社を共同創業。 |
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松尾 真紀子 東京大学 公共政策大学院・未来ビジョン研究センター 特任准教授 2020年4月1日より現職。現在、科学技術イノベーション政策における「政策のための科学」教育・研究ユニット(STIG:Science, Technology, and Innovation Governanceプロジェクト)で、国際政治・公共政策学・リスク研究等多様な観点から科学技術と社会の交錯領域(食品安全、バイオエコノミー、国際保健等)におけるガバナンスやELSIにかかわる研究に従事。履歴・業績:https://researchmap.jp/makiko_matsuo |