[開催報告(pdf)]
「科学技術イノベーション政策における戦略的調査分析機能の強化に向けて」
[概要]
気候変動等の様々な社会課題の山積、急激に変化する地政学的緊張、急速な科学技術の進展など、科学技術・イノベーション政策を取り巻く環境は大きく変化し、また不確実な中にある。そうした中、将来を見据えた対応とそれを可能とする、いわゆる先見的ガバナンス(anticipatory governance)の重要性が叫ばれている。
あらゆる政策と対応のベースとなる「戦略的調査分析機能(Strategic intelligence)」の必要性は今に始まったことではないが、昨今の環境変化により、その重要性は以前にも増しており、OECDをはじめ、様々な国で、実践上の試行錯誤や議論がなされている。
本セミナーは、OECDの技術イノベーション局(Directorate for Science, Technology and Innovation)のシニア・アナリストのマイケル・キーナン氏(Michael Keenan)を迎え、彼が担当しているS&T Policy 2025の取り組みやOECDにおける科学技術政策にかかわる最新の動向を共有していただき、それを踏まえて、ラウンド・テーブル・ディスカッションでは、日本の有識者や政策・実務家からそれぞれの思いをコメントしていただく。これにより、今後の日本のより良い科学技術イノベーション政策、制度設計、エコシステムの構築へのヒントを得るとともに、令和8年度にはじまる第7期科学技術基本計画に向けての材料とすべく、議論の第一歩として実施する。
日時:2024年5月28日(火)18:00-19:30
開催形式:オンライン (Zoomウェビナー)
言語:英語/日本語 (日英同時通訳あり)
主催:東京大学科学技術イノベーション政策の科学教育・研究プログラム (STIG)
共催:東京大学未来ビジョン研究センター
参加申込み:要事前申込み。以下のリンクからお申し込みください。
https://forms.gle/PmUc7PxiZeAzGjMT9
恐れ入りますが、5/27 16:00以降お申込みの方には、当日ウェビナーリンクをご案内します。
プログラム:
18:00-18:05 開会挨拶(城山英明, 東京大学公共政策大学院教授)
18:05-18:45 基調講演 “Meeting new expectations on STI policy – the OECD’s Transformative Agenda for STI policies” (Dr. Michael Keenan, OECD) 【PDF資料】
18:45-19:25 ラウンドテーブル・ディスカッション
- 進行 松尾 真紀子, 東京大学公共政策大学院特任准教授
- Dr. Michael Keenan, 経済協力開発機構(OECD)科学技術イノベーション局上級アナリスト
- 城山 英明, 東京大学公共政策大学院教授
- 永澤 剛, 内閣府 科学技術・イノベーション推進事務局 参事官(統合戦略担当)
- 倉田 佳奈江, 文部科学省 科学技術・学術政策局 研究開発戦略課長 【PDF資料】
- 植木 健司, 新エネルギー・産業技術総合開発機構技術戦略研究センター次長 【PDF資料】
- 佐伯 浩治, 科学技術振興機構 研究開発戦略センター副センター長
19:25-19:30 閉会
講演者のご紹介:
Michael Keenan 経済協力開発機構(OECD)科学技術イノベーション局上級アナリスト Michael Keenan (PhD) is a Senior Policy Analyst in the OECD’s Directorate for Science, Technology and Industry. He has worked in the science and innovation policy field for more than two decades and leads work on the OECD’s biennial STI Outlook and the EC-OECD STIP Compass. He also leads the OECD’s S&T Policy 2025 project and its development of the OECD Agenda for Transformative STI Policies. He has previously worked on several OECD country reviews of innovation policy, including those of Sweden, Korea, Netherlands, Mexico, Russia, and SE Asia. Before joining the OECD in 2007, Michael was a tenured researcher at the University of Manchester. |
永澤 剛 内閣府 科学技術・イノベーション推進事務局 参事官(統合戦略担当) 東京大学工学部地球システム工学科卒、カリフォルニア大学サンディエゴ校国際関係論大学院修了。1996年、通商産業省(経済産業省)に入省。産業技術政策やエネルギー・環境政策等に従事。2016~2019年、UNIDO(国連工業開発機関)ウィーン本部出向。帰国後、原子力国際協力推進室長、生活製品課長、地域経済産業政策課長を歴任。2023年7月より内閣府科学技術・イノベーション推進事務局参事官として、科学技術・イノベーション基本計画や総合知等を担当。 |
倉田 佳奈江 文部科学省 科学技術・学術政策局 研究開発戦略課長文部科学省 科学技術・学術政策局 研究開発戦略課長 2002年文部科学省入省。2007年英国・LSE留学・修士課程修了。2009年国立大学法人九州大学総務部総務課長、2011年文部科学省研究開発局原子力課補佐、2014年在英国日本国大使館一等書記官(科学技術担当)、2018年文部科学省研究開発局宇宙利用推進室長、2020年内閣府科学技術・イノベーション推進事務局企画官(国際担当)、2021年文部科学省大臣官房会計課予算企画調整官などを経て、2023年4月より現職。 |
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植木 健司 新エネルギー・産業技術総合開発機構技術戦略研究センター次長 1999年に通商産業省(現・経済産業省)入省以来、経済産業省や関係省庁において、技術・イノベーション、規制改革、地域開発など様々な政策分野を担当。2023年7月にNEDO技術戦略研究センター次長に着任。トランスフォーマティブ・イノベーションの実現に向けた政策やプロジェクトのあり方について検討を進めている。東京工業大学大学院修了(機械工学)。 |
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佐伯 浩治 科学技術振興機構 研究開発戦略センター副センター長 1985年に科学技術庁(現文部科学省)に入庁。宇宙、原子力、ライフサイエンスといった分野の研究開発等を担当、科学術・学術政策研究所長を最後に2023年3月に退官。2024年4月より現職。東京大学工学部卒。 |
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城山英明 東京大学 公共政策大学院教授 東京大学法学部卒、同助手、東京大学大学院法学政治学研究科講師、助教授を経て、東京大学大学院法学政治学研究科教授(公共政策大学院教授を兼務)。専門は、行政学、国際行政論、科学技術と公共政策。主要業績に、「国際行政の構造」、「中央省庁の政策形成過程」、「法の再構築Ⅲ科学技術の発展と法」、「国際援助行政」、「科学技術ガバナンス」、「政治空間の変容と政策革新①政策革新の理論」等がある。 |
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松尾真紀子 東京大学 公共政策大学院・未来ビジョン研究センター 特任准教授 2020年4月1日より現職。現在、科学技術イノベーション政策における「政策のための科学」教育・研究ユニット(STIG:Science, Technology, and Innovation Governanceプロジェクト)で、国際政治・公共政策学・リスク研究等多様な観点から科学技術と社会の交錯領域(食品安全、バイオエコノミー、国際保健等)におけるガバナンスやELSIにかかわる研究に従事。履歴・業績:https://researchmap.jp/makiko_matsuo |
参加者:会場16名、オンライン143名