2023年9月8日から10日にかけて、政策研究大学院大学にて東京大学STIG拠点共催の下、SciREXサマーキャンプ2023が対面開催されました。以下、受賞状況です。
プレゼンテーション部門における最優秀賞の発表:
第1位 Geopolitics Japanese group:地政学ー食料安全保障
第2位 Healthcare and DX Japanese group:ライフコースデータで描く未来 ー データ利活用の最大化を目指して
第3位 Healthcare and DX English group:AI Regulation for Transparency, a mental health case study
Education Japanese group 2:情報技術を活用し、個別最適化された子供の学習環境の構築
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背景
科学技術イノベーション政策のための科学(SciREX)プログラムは、政策研究大学院大学(GRIPS)を「総合拠点」、東京大学(STIG)・一橋大学・大阪大学/京都大学・九州大学を「領域開拓拠点」として2011年に設立されて以来、グローバルレベルの研究・教育を目指して様々な取り組みを行ってきました。
エビデンスに基づく政策立案を体得する、SciREXサマーキャンプもこの取り組みの一つ。SciREXプログラムの重要な活動のひとつに位置付けられ、科学技術・イノベーション(STI)政策のための科学、という新たな研究領域を開拓する人材、政策と研究を結びつける人材、関連分野の基礎研究を推進する人材を対象として開催されてきました。
サマーキャンプでは、SciREX拠点6大学をはじめとするいろいろな大学の教員・学生が集まり、各大学での実践知を共有しあい、それぞれの年ごとに立てたテーマのもと議論をし、そのアウトプットを発表し、様々な学問分野の境界を越えて知見を共有しあいます。
SciREXサマーキャンプ2023 概要
日程:2023年9月8日(金)-10(日) 事前学習会を8月中に開催しました。
場所:政策研究大学院大学 (https://www.grips.ac.jp/jp/about/access/)
主催:文部科学省科学技術・学術政策局研究開発戦略課 政策科学推進室/SciREX基盤的研究・人材育成拠点
企画・運営:SciREX サマーキャンプ 2023 実行委員会(東京大学 STIG / 政策研究大学院大学SciREXセンター)
2023年のテーマ:
Addressing Real-World Challenges
~不確実性な未来を生きぬくための科学技術イノベーション政策~
高度な科学技術の発展は、社会に先例のない新たな変化をもたらし、データプライバシー、サプライチェーンの混乱など、不確実性が高まる社会において様々な課題が顕在化している。 私たちが選ぶ政策が必ずしも効果的であるとは限らず、ロバストである保証もない。二元的な視点やゼロサムの考え方は、政策立案と実施プロセスをより複雑なものにしている。これは国内外での協力関係においても、非協力的な状況(望ましくない状況)を生み出す可能性がある。 科学技術イノベーション(STI)政策は、特にこうした問題に直面しており、多様なシナリオに対応する必要がある。我々はこれらの政策的課題にいかに対処できるか。より良い未来を創るための手段を共に議論しよう。
グループ別テーマ
①地政学
– 地政学的変動下での先端技術開発と協力のための STI 政策策定
– サプライチェーンの安全性とSTI政策
~より包括的なSTI政策の設計・調整を通じたサプライチェーンの堅牢性確保~
②ヘルスケアとデジタルトランスフォーメーション
– 公平なヘルスケアイノベーションに向けた産学官連携促進プラットフォームの構築
③社会とGX1(グリーントランスフォーメーション)
– Society5.0とIndustry4.0
~ SDGsを意識した未来社会の産業との共創に向けたSTI政策の立案~
– グリーントランスフォーメーション、未来モビリティ
~ STI政策オプションのさらなる検討~
④教育
– 未来の教育におけるAI
– 知的財産、産業、研究
~産学官連携と知的財産の商業化を促進するためのSTI政策の活用~
⑤DX(デジタルトランスフォーメーション)と未来の産業
– DXとSTI政策
~新しいツール・労働力の変化に応じた政策立案とは~
– DX産業の発展を支援するための政策設計