【バイオエコノミーセミナーシリーズの目的】OECDで2009年のバイオエコノミーに関するレポートが作成されて以来、欧米各国ではバイオエコノミーをキーワードとする政策文書が策定され、バイオエコノミーに対する機運が高まっている。日本でも「2030年に世界最先端のバイオエコノミー社会を実現」することがバイオ戦略2019で謳われ、毎年バイオ戦略を更新しつつ推進していくとしている。他方、バイオエコノミーは非常に広範な概念であり、具体的な全容は十分に明らかでない。そこで本セミナーでは、国内外の動向について詳しい方々をお招きし、関係者間でバイオエコノミーの現状に関する情報共有を目的とする。その上で、日本にとってのバイオエコノミーの意義、強み、課題の検討につなげていく。
日時:2020年12月24日(木)13:00~15:00
会場:東京大学国際学術総合研究棟演習室A及びオンライン(Zoom)によるハイブリッド
主催:東京大学科学技術イノベーション政策の科学(STIG)教育・研究ユニット
共催:SIP (スマートバイオ産業・農業基盤技術)国民理解コンソーシアム、海外規制動向担当、立川雅司・松尾真紀子)
参加者:30名
●プログラム
趣旨説明と前回までの概要:東京大学 松尾真紀子
①産業界から見たバイオエコノミーの意味(これまでの活動など):
日本バイオ産業人会議(JABEX)事務局 坂元雄二
②産業界のロードマップ
(冒頭;経緯、全体概要の説明:坂元氏、ものづくりのロードマップ:日本バイオ産業人会議(JABEX)和田光史
③11月のGBS(グローバルバイオサミット)の総括・課題と今後に向けて:和田光史
ディスカッション
●開催報告
勉強会では冒頭、司会の東京大学 松尾真紀子より、本勉強会の趣旨と前回の概要の共有を行ったうえで講演者から話題提供を行った。
はじめに日本バイオ産業人会議(JABEX)事務局 坂元雄二氏より、バイオエコノミーの産業界にとっての意義についてお話があった。欧州ではサーキュラーバイオエコノミーが推進されいて、単に技術や制度という次元を超えた社会変革としてとらえられているとの指摘があった。こうした流れは世界的に展開されており、日本の企業も含めて本格的に取り組んでいかなければならない状況になりつつあるとされた。
次に政府のバイオ戦略におけるロードマップの策定に先立って作成された産業界のロードマップの経緯と概要が説明された。その具体的内容には、日本バイオ産業人会議(JABEX)和田光史氏より説明があった。
続いて、和田氏より、2020年11月にドイツで開催されたGBS(グローバルバイオサミット)の概要についての報告と欧州・ドイツと米国における政策について紹介があった。特にEUでは多層的な政策パッケージでバイオエコノミーを推進していること、米国ではUSDAのバイオプリファードプログラム、バイオエコノミーサミット(2019)、バイオエコノミーR&D法の可決などの動きがあったことについて紹介があった。
12.25.2020