International Symposium
07.08.2020

【7月27日】第93回STIG PoPオンラインセミナー「新規科学技術とELSI:阪大ELSIセンターの設立と新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)の事例」


【開催報告】
2020年5月に大阪大学に設立された社会技術共創研究センター、通称ELSIセンターの組織やミッションについての紹介があり、生命科学分野では30年前から使用されてきた「ELSI」というキーワードを、あらゆる新規科学技術に拡大・適用すること、倫理(E)と法(L)と社会(S)を区別しながら分析すること、多様なステークホルダーと共創することなどの特徴が説明された。その枠組みは新型コロナウイルス問題にも適用できることが示され、具体的に「接触確認アプリ」の社会実装を例に、利用者目線での「10の視点」を設定し、仕様が決まる前からリリースに至るまで「リアルタイム」にELSIを検討した結果を示した。(大阪大学 岸本充生)

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◆日 時:2020年 7月27日(月)16:30-18:00
◆場 所:Zoomによるオンラインセミナー(事前登録者のメールアドレスへ開始前までにZoom URLを送ります)
◆お申込:要事前登録。こちらのフォーム からお申込み下さい。(※登録フォームがうまく開けない方は、メールにてSTIG@pp.u-tokyo.ac.jpまでお名前とご所属をご記入の上、お申込みください)

【概要】大阪大学で4月に社会技術共創研究センター(通称、ELSIセンター)が発足した。ELSIセンターでは、新規科学技術の研究開発から社会実装までの倫理的・法的・社会的課題(ELSI)を研究&実践支援することをミッションとしており、学内・学外の様々なアクターと連携し、事例研究を通して方法論を確立することを目指している。新型コロナウイルスの問題や対策に関連して様々なELSIが顕在化しつつある。ここではデジタル技術の1つである「接触確認アプリ」を対象に、利用者の立場から、ダウンロードするかどうかを判断するためのポイントをまとめた「10の視点」を紹介する。まだアプリの仕様も決まっていなかった4月にver.0.8、仕様書が出た5月にver.0.9、厚労省からアプリがリリースされた6月にver.1.0と更新した。ver.0.9では厚労省への3点の要望も追加した。ver.1.0は「読み比べ編」として、アプリのリリース時の説明やQ&Aを比べて、対応済みの点は青字で、未対応の点は赤字でコメントを付した。 アプリそのものについては 対応済みの箇所が多いが、アプリを取り巻く背景や、リリース後の事項について は未対応な項目が相当数残っていることが分かった。このプロセスは、結果としてある種のリアルタイムテクノロジーアセスメントの実践になった。

参考1)大阪大学社会技術共創研究センター
参考2)接触確認アプリとELSIに関する10 の視点

【講師】岸本 充生 教授
大阪大学 社会技術共創研究センター(ELSIセンター)センター長
大阪大学 データビリティフロンティア機構 部門長

(略歴)京都大学で博士(経済学)取得後、通産省の工業技術院資源環境技術総合研究所に入所、独法化後、産業技
術総合研究所安全科学研究部門の研究グループ長を経て、2014年から東京大学公共政策大学院&政策ビジョン研究
センター特任教授。2017年から大阪大学データビリティフロンティア機構教授。2020年4月からは新設の社会技術共
創研究センター長を兼任。原子力規制庁放射線審議会や総務省政策評価制度部会等の委員や国立国会図書館の客員
調査員を務める。

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お問い合わせ:
東京大学 科学技術イノベーション政策における「政策のための科学」教育・研究ユニット
STIG事務局(STIG@pp.u-tokyo.ac.jp)