【開催報告】
RRIは科学と社会に関わる活動を包括するHorizon2020の中核的概念であるが、複雑でわかりにくいものとなり、また、特定のコミュニティに閉じた印象もあって、科学やイノベーションへの実質的な貢献が乏しいという政策評価が下された。Horizon Europeではオープンサイエンスやオープンイノベーションを掲げ、RRIの理念と実践はミッション型研究などに埋め込まれる形で発展的に解消されていく。しかし先見や省察、適応的変化などを達成するためには、価値の多様性や将来の方向性もオープンなアプローチとして視野に収めなければならないだろう。フロアとの議論では日本の文脈とのねじれ、政府や助成機関のフレーミングや制度化に依存しないボトムアップガバナンスの可能性などについて意見が交わされた。
日 時:2019年 7月3日(水)13:00−15:00
場 所:東京大学本郷キャンパス 国際学術総合研究棟12F 演習室C
◆講師
オスロ都市大学労働研究所リサーチフェロー 吉澤 剛 先生
現在、吉澤剛氏はモビリティや場所の観点から先端科学技術分野に関わる倫理やイノベーションの概念と実践を捉え直し、新たな公共性の創出に取り組んでいる。知識ガバナンスやフォーサイトにおける幅広い関与を通じた地域社会と研究者コミュニティの変革にも関心を持ち、多様な中間機関との関わりも深い。
お申込:要事前登録。こちらのフォームからお申込み下さい。(※登録フォームが開けない方、確認メールが届かない方は、メールにてSTIG@pp.u-tokyo.ac.jpまで所属・お名前をお知らせください)
【概要】
次期EUフレームワークプログラムでは責任ある研究・イノベーション(RRI)の看板が下ろされ、代わりにミッション志向とオープン化が謳われることとなった。果たして倫理やガバナンスなどRRIの理念は受け継がれうるのか。最近の欧米の事例から科学と社会、政策をめぐる新たな公共性のあり方とRRIのこれからを議論する。
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お問合せ先:
科学技術イノベーション政策の科学(STIG)事務局
STIG@pp.u-tokyo.ac.jp
06.13.2019