10.31.2013

終了【健康・医療戦略ラウンドテーブル】医療の国際展開をグローバルヘルスという視点から考える


健康・医療戦略ラウンドテーブル キックオフ
「医療の国際展開をグローバルヘルスという視点から考える」

Healthcare Policy Roundtable 2013: Kickoff meeting
Thinking International Expansion in Health Sectors through Global Health Perspectives

<開催報告はこちらに掲載しています>

日時:2013年10月31日(木)10:00~11:30
会場:伊藤国際学術研究センター地下1階ギャラリー1
参加費:無料
要事前申込み:参加お申込みはこちらから
言語:日本語
主催:東京大学 科学技術イノベーション政策の科学(STIG)教育・研究ユニット
共催:東京大学政策ビジョン研究センター
【趣旨】
 健康・医療戦略に関するラウンドテーブルでは、医療分野の技術革新を推進することで健康長寿社会と経済成長を実現するための議論を深めることを目的としています。
 我が国では、健康・医療分野における改革が急速に進められています。2013年2月22日には、医療イノベーション推進室に代わって「健康・医療戦略室」が内閣官房に設置されました。また、2013年6月14日に閣議決定した「日本再興戦略」および関係閣僚申合せによる「健康・医療戦略」に基づき、同年8月2日付で、医療分野の研究開発の司令塔の本部となる「健康・医療戦略推進本部」が内閣に設置されました。政府において、我が国が世界最先端の医療技術・サービスを実現し、健康寿命世界一を達成すると同時に、それにより医療、医薬品、医療機器を戦略産業として育成し、日本経済再生の柱とすることを目指す方針が明確になったと言えます。
 このラウンドテーブルは、医療分野をグローバルな視点で捉える試みです。医療関連製品の開発や技術の進歩はグローバルな規模で行われており、当然ながらそのような製品や技術によって恩恵を受けるのも我が国の国民だけでなく、全世界の人々に及びます。逆に言えば、日本から医療関連製品、技術、医療インフラなどを世界へ向けて創出しようとすれば、我が国の医療をより一層魅力的なものにする必要があり、より多くの優秀な人材、より優れた研究、より多くの資本が集まる環境をまず整える必要が出てきます。それこそが日本の医療をよりよくし、海外展開をも可能にするエコサイクルなのです。
 今年度は、最近最も注目を集めている「医療の国際展開」をテーマに4回程度のラウンドテーブルを予定しています。2013年6月に策定された「日本再興戦略」および「健康・医療戦略」のもとで進められている医療の国際展開について、関係各省の立場からそれぞれの取り組みと課題を示してもらうとともに、今後の展望を広く議論したいと思います。

【開催概要】
 国際展開は、健康・医療分野のイノベーションにとって極めて重要です。日本では、2012年6月にまとめられた「医療イノベーション5ヵ年戦略」において、国内のみならず世界のアンメットメディカルニーズを解消してゆくことが健康・医療分野におけるイノベーションの実現には欠かせないことが謳われました。また、新政権で設置された「健康・医療戦略室」を中心に、健康・医療分野におけるイノベーションを実現させるために海外展開が急速に進められようとしています。
世界に目を向けてみると、健康・医療分野の国際展開は、長期的なビジョンを伴う国家戦略の一環として、主に外交領域で取り組まれていることに気づきます。たとえば、英国や米国は、新興国や発展途上国における医薬品のアクセスを向上させ、医療保険やその他の医療インフラ整備のために知識や技術を提供し、人々の健康増進を図って持続的な経済発展へとつなげてゆく方針を採用しているのです。
 我が国でも、2013年6月14日に策定された日本再興戦略および健康・医療戦略に先立ち、同年5月17日に外務省から国際保健外交戦略が公表されています。国際保健外交戦略では、いわゆる「人間の安全保障」の理念を具現化する上で不可欠な分野として保健を位置づけ、世界で最も優れた健康長寿社会を達成している日本の優位性を活かし、世界の全ての人が基礎的保健医療サービスを受けられること(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)を推進する、とされています。
今回のラウンドテーブルは、医療の国際展開をグローバルヘルスという視点から考える絶好の機会です。国際保健外交戦略は、産業競争力会議や健康・医療戦略推進会議でも議論されている我が国医療技術・サービスの国際展開と、相互補完的かつ一体的に進めていくものとされていますが、その要点について今回は外務省国際協力局国際保健政策室長の小沼士郎氏から基調講演をしていただきます。その後で、開発途上国の感染症に対する新薬創出を促進するための日本初の官民パートナーシップ、一般社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund: Global Health Innovative Technology Fund)のCEOで、理事会における専務理事でもあるスリングスビー B.T.氏を交えてパネルディスカッションを行います。質疑応答の時間も設けますので、ぜひお越し下さい。

【プログラム】
10:00 開会の挨拶
城山英明 東京大学公共政策大学院・副院長/東京大学大学院 法学政治学研究科・教授
10:05 ラウンドテーブルのねらい
林良造 東京大学公共政策大学院・客員教授/明治大学国際総合研究所・所長
10:10-10:35 基調講演
小沼士郎 外務省国際協力局国際保健政策室長
10:35-11:10 パネルディスカッション
小沼士郎 外務省国際協力局国際保健政策室長
スリングスビー B.T. 一般社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund: Global Health Innovative Technology Fund)・CEO/専務理事
モデレーター 佐藤智晶 東京大学公共政策大学院/政策ビジョン研究センター併任・特任講師
11:10-11:25 Q&A
11:30 閉会

問い合わせ先:
東京大学公共政策大学院 科学技術イノベーション政策の科学(STIG)教育プログラム事務局
STIG@pp.u-tokyo.ac.jp